一級建築士試験ミニマル勉強法

平凡な人間が一級建築士試験に挑戦したらどうなるか?失敗や勉強のポイント、コツなどを紹介していきます。

独学か資格学校か

独学にするか資格学校にするかはそれぞれに合った方法を選択するのがいいのではないでしょうか。

 

合格し易いかどうかについては、独学に比べて学校に行ったほうが可能性が高くなることは間違いないと思います。

 

なので資金に余裕のある人でかつ早く合格したい人は学校に行くべきです。

 

私の回りでも一発で学科と製図を受かった人は学校に通ってました。

 

ただし早稲田大学出身と高学歴で元々勉強が得意な人だったようです。

 

私のようにお金がなくて、必ず今年合格しないといけない理由が無く、製図は添削をしてもらいたいという人は、学科は独学、製図は学校となるでしょう。

 

また製図も自分で問題を作れたり、添削も自分でできるという人は、学科製図共に独学でいいと思います。

 

気になるのは費用対効果です。

 

私の試験用の出費は下記のようになっています。受験料、交通費等は除いています。

 

1年目学科︰問題集と参考書、模擬試験で約2万円

1年目製図︰マイナー学校約15万円

2年目学科︰1年目と同じ参考書を使ったため0円

2年目製図︰1年目に学科不合格だったので救済措置により学校の学費免除で0円

3年目学科︰2年目に合格のため0円

3年目製図︰学校を通信講座に変えて約10万円

4年目学科︰2年目に合格のため0円

4年目製図︰3年目と同じ通信講座を予定約10万円

 

もろもろ入れて40万円くらいでしょうか。

 

もし今年合格できれば、約5年間の資格試験の勉強代としては妥当なところではないかと思います。

 

もしこのまま何年か勉強したとしても、高級車一台分などという莫大な費用は必要なさそうなことが分かります。

 

一級建築士試験は適度に出費を抑えて勉強の工夫をすれば、費用対効果はかなり高くなる試験だといえます。

 

また一級建築士資格といえば、早く取ってしまって落ち着きたいという人が多いですが、一年間で10万円程の勉強代を払って建築の基礎知識を勉強していると思えば、気長に何年間か勉強してみるのもいいと思います。

 

特に製図は毎年基準階型か低層型かで建物のタイプが別れ、さらに用途が違うものが出題されます。

 

建物のタイプが毎年異なるので、適用される法律に若干の違いがあったり、利用者が違ったりで設計に求められる知識が変わります。

 

また、どんなタイプの建物に対しても変わらない普遍的な計画手法や、共通する法律にも気づくことができます。

 

このように何度も試験を受けることで様々な知識が見につくことも一級建築士試験の特徴の一つです。

 

私の会社は主に構造系の設計事務所ですが、一級建築士試験を経験したことで建築計画の要領を得て意匠的な配慮ができるようになり、むしろ専門スキルの向上に役立っている人も多いです。

 

例えば、基本的に基本設計の段階で意匠設計者が作るラフなプラン図は、柱や壁の位置などの構造的な配慮がされていないことがほとんどです。

 

ここで構造設計者が構造的なことしか知らない場合、意匠設計者の言われるがままに無理な構造になったり、意匠設計者の計画をはねのけて対立したりすることも多いです。

 

でも意匠的な計画の手法をある程度知ってしれば、意匠の事情を汲みとった構造的な案を提案するなどお互いにとって有益な落としどころを見つけることができたりします。

 

また反対に意匠系の設計者が構造的な事情を学ぶことで、さらに相互の意思疎通が円滑になることは言うまでもありません。

 

色々な批判的な見方も多い試験ですが、このように考えれば分業制が進んだ現代の建築において大きな意義があるように思います。

 

なので私達ができることは、せっかく設けてあるこの試験を最大限活用して今後の仕事に役立てることではないでしょうか。