平成29年度製図試験不合格
先日、平成29年度製図試験の合格発表がありました。
私は予想通り評価3で不合格でした。
重大な設計条件違反という判断になったのだろうと思われます。
ミスの内容は前回の記事に書きましたのでこちらをご覧ください。
結果は非常に残念ですが、今回の不合格もいろんな思いがあり、貴重な経験になりました。
皆さんは自分の結果をどう評価しているでしょうか。
別に受からなくてもいいやという思いで受けていれば、不合格でもショックは少ないでしょうし、悔しい思いもしないでしょう。
でも、製図試験は学科試験を通過してもう少しで最終合格に手が届くところまで来ているため、受験者全員が絶対に受かるつもりで試験に望みます。
私も眠い目をこすりながら毎晩真剣に勉強して土日を犠牲にしながら合格できる状態に持っていきました。
でも、本番で建築士としての十分な能力を示せなければ合格することはできません。
建築士の製図試験は一発勝負、しかも一瞬の判断で一年間の努力の結果が決まってしまう。
建築士試験はそういう恐ろしい試験ですし、試験とはそういうものなのでしょう。
だからこそ合格には価値があるのだし、真剣にやった末の不合格にも学びがあるのだと思います。
私は今年カド番、つまり学科免除最後の年でした。
落ちれば来年学科試験の勉強をしなければならない。
そんな年の不合格でした。
今までの不合格とは重みが違います。
今朝、同じくカド番の学校の同級生から連絡がありました。
彼とは試験後に試験場でバッタリ会い帰り道に試験のことを色々と話しながら帰ったのです。
彼はとても心根の良い人で努力をコツコツ積み重ねることができる人でしたが、試験後は小さいミスを気にして不安になっていました。
「試験どうでした?私はギリギリ合格していました。」
彼からの連絡に私は正直驚きました。
まさか彼が受かったのかと。
あれだけ自信なさげにしていたし、プランを聞いても私には正直合格するプランには思えなかったのです。
私は厚かましくも無意識に彼のプランを不合格と見下していたのです。
私は自分のミスに気づかず、膨大な勉強の末に試行錯誤して作り出した彼の合格プランを見下した。
そのときの私は勘違いも甚だしい恥ずかしい人間だったし、きっと彼もそのことを分かっていたと思います。
でも彼は心根が良いから、合格発表後に私に声をかけてくれたのです。
ご存知のように一級建築士の発表は、PDFファイルに受験番号と氏名が記載されています。
彼は私の名前が無いことで私が不合格だということは分かっていたはずです。
本来なら気不味くて声を掛けにくいところを、彼は私に諦めずに頑張れと励まそうと連絡をくれたのです。
彼は決して自分が合格したことを自慢するような人間ではないのです。
自分の合格を「ギリギリ合格」と謙遜して伝えるような人なのです。
建築士試験では点数が公表されないからギリギリ合格かどうかなんて知る術はありません。
彼の合格は文句なしの立派な合格なのです。
私はそんな彼の心遣いがとても嬉しかったし、彼が友人であることを誇りに思ったし、彼の合格が心から嬉しかった。
彼に比べれば私はまだまだ評価3の建築屋なのです。
普段見えない能力の差が白日の元に晒される、それが試験です。
今回も私の恥ずかしくて目も当てられない事実が明るみになりました。
・格好つけてたけど何も格好良くなかった私
・実は大したことなかった私
・人を見下して勘違いしていた傲慢な私
・他人より劣っている私
・プランニングが下手くそで作図が遅い私
・おっちょこちょいで注意力欠陥な私
この結果を私は今冷静に受け入れようとしています。
しょうもないダメな自分を直視することは辛く苦しいことです。
でも事実なのだから、正面から視てやろうと思います。
むしろ開き直ってカッコつけずに受け入れれば、これはこれで楽しいゲームのようなものです。
頭のあまり良くない私の一級建築士試験ゲームは、少しハードモードだけど、攻略するのは楽しい。
そう考えれば、少し俯瞰して試験の結果を捉えられるし、気が楽になります。
やはり一級建築士試験に限らず勉強というものはゲーム感覚で取り組むのが一番です。
今回も良い学びの機会になりました。
特別勉強が出来るわけでもなく、地頭が良いわけでもなく、仕事ができるわけでもない平凡な人間が一級建築士試験を通して何を学べるか、またどうしたら合格できるか。
このブログを通してこれからも考えていきたいと思います。
というわけで次回からは学科の問題に関する記事を書いていきたいと思います。