一級建築士試験ミニマル勉強法

平凡な人間が一級建築士試験に挑戦したらどうなるか?失敗や勉強のポイント、コツなどを紹介していきます。

学科Ⅳ:構造

構造は、得手不得手がはっきり分かれる科目です。

建築の分野には、構造を専門とする仕事があるため
構造系の人はだいたい満点(30点)近くを取ります。

私も本番では28点でした。

ですが、私も最初は苦手で全く分かりませんでした。

単純梁のモーメントってどうやって出すんだっけレベルでした。

なので、私は構造が得意な人と不得意な人の両方の気持ちが分かります。

構造の試験問題のほとんどは、構造系の実務からすると知ってて当然レベルのものも多いです。

力学も応力図などを毎日見ているので簡単に解けてしまいます。

私の同僚は、構造はなんとなくで解けますよねとか言ってました。

彼らは力と部材の関係や材料等が頭の中で既にイメージできているので
何となくで解けます。

SS400とかAiとかポアソン比とか言われると、パッと頭の中で正しいイメージが出てくるのです。

それで不適切な選択肢に違和感を感じて、その選択肢を選んで正解します。

不得意な人は、実務でまず力学の図を解いたりしていません。

伏図軸組図くらいは見たことがあっても
地震力や接合部の詳細や金物の納まりやその耐力を計算したり検討したことはないと思います。

だから力と材料の関係がイメージできていないためにピンと来ないのです。

よって、不得意な人は、参考書を読んでイメージを掴みましょう。

これもなんとなくです。

私もなんとなくしか覚えていません。

でもSN材とSS材の違いとか、Aiは地震力の話で1階は1.0で上階に行くほど大きくなるとか。

そのくらいは覚えておきます。

このようなことはそんなに高度な内容ではなく、また定番の知識なのでどの参考書にも書いてあるので誰でも理解できます。

 

実務上も重要なことなので覚えて損はありません。

構造系の人にとっては初歩の初歩なことでも
素人の人には何を言っているか意味が分からないと思います。

一級建築士の構造の問題のレベルはそんなレベルです。

つまり勉強すれば誰でも高得点が取れます。

計画や環境とは違います。

構造は得点源にできる科目であることを忘れないでください。

 

出来れば満点近く、悪くとも23点は取りたいところです。

学科Ⅲ:法規

法規は時間との勝負です。

近年は以前ほど時間が足りないことはないという見解もありますが
まだまだ時間との勝負であることに変わりはありません。

法規のコツは、法令集を見ないで解ける問題をいかに増やすかということと
問題を解く勘を養うということです。

法規は、法令集の持ち込みができますが
全選択肢で法令集を見てみては、全問解けません。

法令集を見ないで解ける問題を増やすコツは
法令を覚えてしまうことです。

覚えるのは定番の条文だけでよいですし
数値はだいたいでOKです。

正確な数値が記載してある場所を把握していれば十分です。

階段の蹴上げの規定寸法を全部覚える必要はありません。

でも階段の蹴上げ寸法のあの表を瞬時に引けるようになっていないといけません。

でも、ド定番の数値、例えば耐火の問題で5階建ての1階の耐力壁は「2時間耐火」だとか
木材の長期許容応力度は「1.1/3F」で短期は「2/3F」だとか。

そのような数値は覚えておくと、問題を解くのが楽になるし、実務上も役に立ちます。

なにも法令集を見て覚えなくても
過去問をやっていれば、定番の数値はいずれ覚えてしまいます。

最初は選択肢一つ一つで法令集を引いていたのが
少しずつ引かなくても解けるようになっていきます。

法令集を引かなくても解けるようになると
法規の問題を解くスピードが飛躍的に早くなります。

スピードが早くなると、法令集を引く時間を多く確保できるようになるため得点が伸びます。

また、問題を解く勘とは、怪しい選択肢がなんとなくわかるということです。

これも過去問をやっていれば身に付きます。

法令をやんわりと覚えていると
最も不適切な選択肢になんとなく違和感を感じます。

この違和感を感じることが法規の問題を解く勘です。

違和感を感じて問題を解けるようになると
文章を全部読まなくても、雰囲気で怪しい選択肢が分かるようになってきます。

これは勉強が進めば必ずそうなりますので、安心して過去問を解いてください。

 

法規は得点源になる科目です。

 

出来れば満点30点、悪くとも24点取りたいところです。

 

私は27点でした。

 

でも反対に構造で満点取るような人が足切りで不合格になるという不思議な科目です。

学科Ⅱ:環境設備

環境設備は、計画と似ていますが少し違います。

環境設備は、用語の暗記と現象のメカニズムを理解することが重要です。

暗記だけでは問題を解けません。

逆に言えば、だいたいの理屈を理解していれば
少々問題の文言を変えられても対応できます。

よって環境は、参考書の読み込みを重視したほうか良いです。

特に換気の式などは、一つの問題を解いたら
参考書で別の換気方式の式を確認して式の違いを比較して覚えると効率がいいです。

設備についても、空調などはかなり複雑なことになっているので参考書を見て覚えます。

最初は全くわからなくても問題と参考書でだんだんと理解が深まってきます。

また、専門的なことにあまり深追いしないようにすることも重要です。

だいたいの概念をしっかり覚えることがコツです。

だいたいの概念でも結構細かいです。

それから、環境も計画と同様に得点しずらい科目です。

足切りには十分に注意が必要です。

構造が満点で全体で90点を超えているのに計画環境で足切りになってしまう人が結構います。

でも、試験の時間は十分に余裕があります。

計画と環境に限っては、落ち着いてゆっくりゆっくり問題を読んで解く癖をつけておくべきです。

私は、一年目は焦って早く読んでしまい勘違いで間違えた問題が計画と環境で4問はありました。

4問正解していれば93点で合格でした。

今でも悔しいです。

皆さんはゆっくりゆっくり問題を解いて

私のようにならないでください。

1問とて取りこぼしてはいけません。

私のようにその1点で合否が分かれる場合があります。

 

得点は、15点とれれば十分と思います。

ただし勉強が進んでいてもコンスタントに15点取ることは計画同様難しいです。

学科Ⅰ:計画

学科Ⅰの計画は、最も問題を解きやすい科目です。

なぜなら、一般常識になっている知識が多いからです。

でも、いざ20問全部を解いてみると、思ったほど点数が伸びません。

というか、全科目のなかで最も曲者なのが学科Ⅰです。

なぜかというと、一見するととっつきやすい科目ですが
確実に得点することは難しいからです。

学科Ⅰだけは、考えて得点することができない問題が出ます。

知らないと得点できない問題です。

また、簡単な内容の問題でも、ひっかけ問題を出してきます。

そして問題数が20問しかないので、結構簡単に足切りになることがあります。

 

 足切り点は、例年過半の11点です。

そのようなことで、試験直前の私は学科Ⅰが一番苦手としていましたし
本番でも一番警戒して慎重に解いたのが学科Ⅰでした。

学科Ⅰで重要なのは、暗記と問題をよく読むことです。

学科Ⅰは知らないと得点できません。

また、ひっかけ問題にひっかからないことが重要です。

そして、学科Ⅰは、どれほど勉強しても高得点が取りにくい科目であることを忘れてはいけません。

ある程度勉強したら、新出問題を深追いしたりせず他の学科に時間と労力を充てるべきです。

 

得点は、14点取れれば十分ではないでしょうか。

でもコンスタントに14点取ることは難しいです。

勉強時間の確保

勉強時間ですが、私の場合は下記のように確保しました。

朝:電車通勤の電車の中で過去問を30分間
昼:昼休憩に会社の近くのマクドナルドで構造力学を30分
夜:電車通勤の電車の中で過去問を30分間
夜:子供を寝かしつけた後に22:30~0:30で過去問を2時間

これをほぼ毎日、一年目は試験前年2013年6月~2014年7月までの13ヵ月間やりました。

二年目は、2015年1月~2015年7月までの7ヵ月間やりました。

コツは、出来るだけ早く始めることです。

目安としては、1年間あれば十分余裕を持って対応できます。

 

よく私の会社の先輩などは、一級の勉強は2年かかると言っていて、私も勉強を始める前はそれを信じていましたが、違います。

 

1年あれば大丈夫です。

早く始めるだけ、ゆっくりと出来るようになればいいし、毎日のノルマも少なくなります。

そして精神的にも余裕ができます。

いきなり過去問題集をやる

最初から過去問題集を解きます。

よく学校の教材で過去問題集の前に準備段階を設けて少し簡単な問題をやらせる場合がありますが、その必要はありません。

本番で解くレベルの問題を最初から解きます。

なぜなら本番と同じレベルの問題に時間を多く使った方が効率的だからです。

また、本番で出題される問題の多くは過去問から出されるからです。

いきなり本番同様の問題を解くので1回目はすごく時間がかかります。

特に法規は酷いことになります。

私は最初、選択肢一つ当たり30分かかりました。

1問に30分ではありません。

 

法令集を引いてその選択肢が適切か不適切かを判断するのに30分かかったということです。


最初はそのようなものです。

でも、なんとか1回目を終えて2回目になると
1回目の半分くらいの時間で解けるようになります。

でも、1回目と同じように間違えます。

 

3回目でだいぶ正解するようになります。

ここは地道にやるしかありません。

むしろゲーム感覚でやると良いです。

基本的な勉強方法

基本的な勉強方法は、毎日、過去問題集を解いて、解説を読んで、理解していない部分の参考書を読むことです。

これだけです。

試験本番までの残り日数から、だいたいどのくらい勉強できるかは決まっています。

だからまず、試験本番までどのくらいの勉強量をこなすかを決めます。

それは私の勉強量が参考になると思います。

他の合格者に聞いても良いと思います。

まず全体のこなす分量を決める。

そして残り日数から、一日どのくらいやれば全体の分量を消化できるかを計算します。

ざっくりで構いません。

その目算は最終的には外れます。

でも、一番最初に自分で合格までのレールを敷いてしまうんです。

そうして一日10問やらないと理想のレールから外れるとなれば
8問しかできなかった日は理想のレールから2割外れたとその日の勉強量を把握できます。

その次の日に12問できれば、前日の分をカバーできたとなります。

そのように日々レールにきちんと乗っているか、そこから今自分が到達しているレベルを毎日把握します。

そして1年後半年後の本番にベストの自分が来るように合わせていきます。

このようなことを毎日やるためには
毎日のルーティーン(作業)は、できるだけシンプルなものにしなければなりません。

問題集や参考書を何冊もやっていては、毎日の作業が複雑になってしまい
自分の状態やその日の適切な勉強量が把握できません。

毎日の作業はシンプルに、でも毎日やります。