一級建築士試験ミニマル勉強法

平凡な人間が一級建築士試験に挑戦したらどうなるか?失敗や勉強のポイント、コツなどを紹介していきます。

問題集の進め方

問題集はまず1日のノルマを決めます。

 

私の場合、前回の学科合格の経験から625問を5回繰り返せば合格点に到達できると予想できます。

 

なので残り約半年(30日×6.5ヶ月=195日)で625問×5回=3125問をやるとすると、3125÷195≒16.03問となり、1日16問できればだいたい達成可能となります。

 

次にどの問題を16問やるかですが、私の場合は問題集が分野別になっているため各分野を順繰りで16問ずつやっていきます。

 

計画→環境→法規→構造→施工の順で日替わりで16問やります。

 

この方法が今のところ一番良いように思います。

 

理由は、まずは分かりやすいこと。

 

今日は計画の日、明日は環境の日と、その日その日で一つの分野に集中できます。

 

使う参考書も一冊のみになるので、用意するものは問題集と参考書のワンセットということでシンプルになります。

 

二つ目の理由としては、本番の試験の順に慣れておくことで本番で実力を発揮しやすくすることです。

 

心理学ではコンフォートゾーンといって人は慣れた環境のほうが実力を発揮しやすくなります。

 

東大の横にある予備校の生徒が特に東大に合格しやすいのは有名な話です。

 

本番と同じ科目順に慣れておくことは有効だと思います。

 

それからこの1日16問というノルマですが、実際にやってみるとこの量は結構ヘビーです。

 

法規や構造などではかなり時間がかかるので絶対遵守ではなく、10問〜16問とある程度幅を持たせることも有効でしょう。

 

あまりに重い目標に気持ちが萎えて1日休むよりも、少し軽くして毎日進めるほうが良いからです。

 

1日10問でも195日×10問/625問=3.12回問題集をやることができます。

 

3回でも十分合格の可能性があります。

 

私の感覚では、3回だと確実には合格できないなという感じがあります。

 

なのでなるべく5回に近づけたいところです。

平成30年度学科試験対策の基本

平成29年度の製図試験に落ちたので早速平成30年度の学科試験の勉強を開始しました。

 

今回も独学です。

 

いまから始めると約半年しか残っていません。

 

あまり時間がありません。

 

しかし、学科試験は半年あればゼロからで合格できます。

 

今回も前回学科試験に合格した時と同様に下記の構成で対策することにしました。

 

1.問題集「日建学院厳選問題集」

日建学院の市販の問題集です。普通に本屋さんで売っています。厳選問題が500問と平成29年度の問題125問が入っています。何問か解いてみましたが、前回同様解説が簡潔でわかりやすくて良いです。これを5回繰り返して625問×4設問=2500設問の内容を完璧に理解することを目標にします。これを達成できればまず間違いなく90点には到達できるでしょう。

 

2.参考書「総合資格授業テキスト」

問題をやりながら、不正解した問題や不明な内容を参考書で確認します。理想としては問題集だけだなく参考書も全部覚えることですが、さすがにそれは難しいので問題に関わる重要ポイントを重点的に抑えます。どこの参考書をどう用意するかですが、可能であれば日建学院か総合資格の授業テキストを入手したほうがいいでしょう。図と説明文の完成度がやはり高いからです。譲渡禁止になっていると思いますが、要は捨ててあるものを拾えばいいのです。私も事務所の合格者が捨てたものを拾ったことにして貰いました。古いものでも大丈夫です。内容に変わりがあまり無いからです。問題集と同じ出版元のほうがよいとは思いますが、私のように異なる会社のものでも特に問題はありません。解説している項目はだいたい同じだからです。授業テキストを入手するルートがない場合は市販のものでも十分だと思います。

 

基本的には以上です。

 

あれこれやるよりも、上記1と2をどれだけやり込めたかで点数が決まります。

 

次回は問題集の進め方などをお伝えしたいと思います。

 

平成29年度製図試験不合格

先日、平成29年度製図試験の合格発表がありました。

 

私は予想通り評価3で不合格でした。

 

重大な設計条件違反という判断になったのだろうと思われます。

 

ミスの内容は前回の記事に書きましたのでこちらをご覧ください。

平成29年度製図試験終了 - 一級建築士試験ミニマル勉強法

 

結果は非常に残念ですが、今回の不合格もいろんな思いがあり、貴重な経験になりました。

 

皆さんは自分の結果をどう評価しているでしょうか。

 

別に受からなくてもいいやという思いで受けていれば、不合格でもショックは少ないでしょうし、悔しい思いもしないでしょう。

 

でも、製図試験は学科試験を通過してもう少しで最終合格に手が届くところまで来ているため、受験者全員が絶対に受かるつもりで試験に望みます。

 

私も眠い目をこすりながら毎晩真剣に勉強して土日を犠牲にしながら合格できる状態に持っていきました。

 

でも、本番で建築士としての十分な能力を示せなければ合格することはできません。

 

建築士の製図試験は一発勝負、しかも一瞬の判断で一年間の努力の結果が決まってしまう。

 

建築士試験はそういう恐ろしい試験ですし、試験とはそういうものなのでしょう。

 

だからこそ合格には価値があるのだし、真剣にやった末の不合格にも学びがあるのだと思います。

 

私は今年カド番、つまり学科免除最後の年でした。

 

落ちれば来年学科試験の勉強をしなければならない。

 

そんな年の不合格でした。

 

今までの不合格とは重みが違います。

 

今朝、同じくカド番の学校の同級生から連絡がありました。

 

彼とは試験後に試験場でバッタリ会い帰り道に試験のことを色々と話しながら帰ったのです。

 

彼はとても心根の良い人で努力をコツコツ積み重ねることができる人でしたが、試験後は小さいミスを気にして不安になっていました。

 

「試験どうでした?私はギリギリ合格していました。」

 

彼からの連絡に私は正直驚きました。

 

まさか彼が受かったのかと。

 

あれだけ自信なさげにしていたし、プランを聞いても私には正直合格するプランには思えなかったのです。

 

私は厚かましくも無意識に彼のプランを不合格と見下していたのです。

 

私は自分のミスに気づかず、膨大な勉強の末に試行錯誤して作り出した彼の合格プランを見下した。

 

そのときの私は勘違いも甚だしい恥ずかしい人間だったし、きっと彼もそのことを分かっていたと思います。

 

でも彼は心根が良いから、合格発表後に私に声をかけてくれたのです。

 

ご存知のように一級建築士の発表は、PDFファイルに受験番号と氏名が記載されています。

 

彼は私の名前が無いことで私が不合格だということは分かっていたはずです。

 

本来なら気不味くて声を掛けにくいところを、彼は私に諦めずに頑張れと励まそうと連絡をくれたのです。

 

彼は決して自分が合格したことを自慢するような人間ではないのです。

 

自分の合格を「ギリギリ合格」と謙遜して伝えるような人なのです。

 

建築士試験では点数が公表されないからギリギリ合格かどうかなんて知る術はありません。

 

彼の合格は文句なしの立派な合格なのです。

 

私はそんな彼の心遣いがとても嬉しかったし、彼が友人であることを誇りに思ったし、彼の合格が心から嬉しかった。

 

彼に比べれば私はまだまだ評価3の建築屋なのです。

 

普段見えない能力の差が白日の元に晒される、それが試験です。

 

今回も私の恥ずかしくて目も当てられない事実が明るみになりました。

 

・格好つけてたけど何も格好良くなかった私

・実は大したことなかった私

・人を見下して勘違いしていた傲慢な私

・他人より劣っている私

・プランニングが下手くそで作図が遅い私

・おっちょこちょいで注意力欠陥な私

 

この結果を私は今冷静に受け入れようとしています。

 

しょうもないダメな自分を直視することは辛く苦しいことです。

 

でも事実なのだから、正面から視てやろうと思います。

 

むしろ開き直ってカッコつけずに受け入れれば、これはこれで楽しいゲームのようなものです。

 

頭のあまり良くない私の一級建築士試験ゲームは、少しハードモードだけど、攻略するのは楽しい。

 

そう考えれば、少し俯瞰して試験の結果を捉えられるし、気が楽になります。

 

やはり一級建築士試験に限らず勉強というものはゲーム感覚で取り組むのが一番です。

 

今回も良い学びの機会になりました。

 

特別勉強が出来るわけでもなく、地頭が良いわけでもなく、仕事ができるわけでもない平凡な人間が一級建築士試験を通して何を学べるか、またどうしたら合格できるか。

 

このブログを通してこれからも考えていきたいと思います。

 

というわけで次回からは学科の問題に関する記事を書いていきたいと思います。

平成29年度製図試験終了

先週日曜日、本年度の製図試験が終わりました。


私ももちろん受けました。


私は今年3度目の製図試験で、いわゆる角番といわれる年でした。


結果は、致命的なミスをおかしていたため、今年も不合格と思われます。


悔しくて残念ですが、私の勝手な思い込みが招いた結果です。


ミスの内容は、客室の眺望の向き(湖または山側指定)を南北に向けたというものです。


私は通信教育で問題をもらい採点してもらうという勉強方法だったのですが
その問題では客室の眺望の向きを限定しておらず
全て南北または東西に客室を配置できる問題だったのです。


ずっとその形式でエスキースをしていたため
その思い込みで南北に客室を配置してしまいました。


問題作成者に非があるということではありません。


私は本番中4回は問題文の該当箇所を確認してOK!と書いています。


それでもスルーした自分のミスが悪いのです。


また、仮に本番中の思い込みがしょうがないとしても
客室の眺望の向きを指定してくることは本番前に十分予想できたことです。


通信教育の資料のどこかに記載があったかもしれないし、3度目の私は予想可能でした。


ミスを防ぐ方法はたくさんあったのです。


結局今年の私は最初のゴール設定が間違っていたのです。


ゴール設定とは、どんな建物を作ればいいかということです。


正確なゴール設定が出来なければ、合格はありません。


正確なゴール設定には、正確な課題文の読み取りが必要です。


あらためて注意深く問題文を読むことの重要性を学びました。

独学か資格学校か

独学にするか資格学校にするかはそれぞれに合った方法を選択するのがいいのではないでしょうか。

 

合格し易いかどうかについては、独学に比べて学校に行ったほうが可能性が高くなることは間違いないと思います。

 

なので資金に余裕のある人でかつ早く合格したい人は学校に行くべきです。

 

私の回りでも一発で学科と製図を受かった人は学校に通ってました。

 

ただし早稲田大学出身と高学歴で元々勉強が得意な人だったようです。

 

私のようにお金がなくて、必ず今年合格しないといけない理由が無く、製図は添削をしてもらいたいという人は、学科は独学、製図は学校となるでしょう。

 

また製図も自分で問題を作れたり、添削も自分でできるという人は、学科製図共に独学でいいと思います。

 

気になるのは費用対効果です。

 

私の試験用の出費は下記のようになっています。受験料、交通費等は除いています。

 

1年目学科︰問題集と参考書、模擬試験で約2万円

1年目製図︰マイナー学校約15万円

2年目学科︰1年目と同じ参考書を使ったため0円

2年目製図︰1年目に学科不合格だったので救済措置により学校の学費免除で0円

3年目学科︰2年目に合格のため0円

3年目製図︰学校を通信講座に変えて約10万円

4年目学科︰2年目に合格のため0円

4年目製図︰3年目と同じ通信講座を予定約10万円

 

もろもろ入れて40万円くらいでしょうか。

 

もし今年合格できれば、約5年間の資格試験の勉強代としては妥当なところではないかと思います。

 

もしこのまま何年か勉強したとしても、高級車一台分などという莫大な費用は必要なさそうなことが分かります。

 

一級建築士試験は適度に出費を抑えて勉強の工夫をすれば、費用対効果はかなり高くなる試験だといえます。

 

また一級建築士資格といえば、早く取ってしまって落ち着きたいという人が多いですが、一年間で10万円程の勉強代を払って建築の基礎知識を勉強していると思えば、気長に何年間か勉強してみるのもいいと思います。

 

特に製図は毎年基準階型か低層型かで建物のタイプが別れ、さらに用途が違うものが出題されます。

 

建物のタイプが毎年異なるので、適用される法律に若干の違いがあったり、利用者が違ったりで設計に求められる知識が変わります。

 

また、どんなタイプの建物に対しても変わらない普遍的な計画手法や、共通する法律にも気づくことができます。

 

このように何度も試験を受けることで様々な知識が見につくことも一級建築士試験の特徴の一つです。

 

私の会社は主に構造系の設計事務所ですが、一級建築士試験を経験したことで建築計画の要領を得て意匠的な配慮ができるようになり、むしろ専門スキルの向上に役立っている人も多いです。

 

例えば、基本的に基本設計の段階で意匠設計者が作るラフなプラン図は、柱や壁の位置などの構造的な配慮がされていないことがほとんどです。

 

ここで構造設計者が構造的なことしか知らない場合、意匠設計者の言われるがままに無理な構造になったり、意匠設計者の計画をはねのけて対立したりすることも多いです。

 

でも意匠的な計画の手法をある程度知ってしれば、意匠の事情を汲みとった構造的な案を提案するなどお互いにとって有益な落としどころを見つけることができたりします。

 

また反対に意匠系の設計者が構造的な事情を学ぶことで、さらに相互の意思疎通が円滑になることは言うまでもありません。

 

色々な批判的な見方も多い試験ですが、このように考えれば分業制が進んだ現代の建築において大きな意義があるように思います。

 

なので私達ができることは、せっかく設けてあるこの試験を最大限活用して今後の仕事に役立てることではないでしょうか。

平成28年度製図試験不合格

平成28年の製図試験は不合格でした。

 

不合格はとても残念でしたが、今年の課題を通して去年とはまた違った学びの機会を得たと思って前向きに今年も挑戦したいと思います。

 

私も皆様と共に勉強していきたいと思います。

 

さて、さっそく4月10日から今年のインターネット申込受付が開始されています。

 

私は今日申し込みしました。

 

去年もそうでしたが、スマホ一つで申込みできました。

 

顔写真のサイズ判定が厳しくて、指定サイズピッタリでないとアップロードできず、少し時間がかかってしまいました。

 

私はスマホのインカメラで自分を撮って、それをスクリーンショットして、それを絶妙にトリミングして指定サイズにしました。

 

こんな原始的な方法の人はいないかもしれませんが、10分程で写真をアップロードしました。

 

申し込みをスタートしてから写真を用意したので、結構焦りました。

 

30分以内に入力しないと最初からだよと脅されるのです。

 

落ち着いて申し込みするためには申し込みをスタートする前にサイズピッタリの写真データを用意したほうがいいです。

 

インターネット申込みの所要時間は30分程を見ておけばいいと思います。

 

学科Ⅴ:施工

施工は、受験者全員にとって難しい科目です。

しかも近年は難易度が上がっているようです。

施工とは現場の話ですが、まず設計実務の人間で若い人はそんなに現場に詳しくありません。

実施設計をやっていても作業時間は確保したいし
現場との調整もあって実際に現場に行くのは大変な負担です。

現場に行っても、自分の担当の問題を解決することに精いっぱいで
ゆっくり見ることはできません。

そして、現場の管理をしている人も
施工全部は分かっておらず、自分のやってきたこと以外は
勉強しないと分かりません。

建築業界の分業化の弊害です。

でも、だからこそ試験の科目になっているという見方もできます。

皆知らないから最低限は現場のこと全体を勉強しようよ、ということだと思います。

施工も参考書の図説を読むことが重要です。

コツは、図で覚えることです。

自分で描かなくてもよいと思います。

参考書の図にクリアランスとか余盛寸法とかを赤丸で囲んだり書き込りするんです。

 

それを何度も見て覚えます。

特に杭の部分は、図説が無いと意味が分かりません。

コンクリートは暗記するしかありません。

鉄骨は比較的とっつきやすいです。

施工は、図で理解していないと
少し問題を難しく変えられただけで
全然わからなくなります。

私は一年目の7月の模擬試験で7点(25点満点)を取ってしまいました。

絶望しました。

でもそれは大手資格学校の直前模試で
本番より格段に難しい内容でした。

出来なくても無理のない難易度でしたが
それにしても7点はありえません。

でも、そのくらい施工は中身を理解していないと解けない科目なんだということを学びました。

施工も、計画環境と同じで、なかなか点数を稼げません。

取れて21点、悪くて16点15点という感じの科目ですのでなんとか耐え忍んでください。